【テヘラン鵜塚健】イランの政策に関し、最終決定権を持つ護憲評議会は28日、駐イラン英国大使を追放し、対英関係を縮小するとした法案を全会一致で承認した。核開発問題を巡り、英国がイランに対して新たな経済制裁を決めたことを受けた報復措置。法案は2週間以内の大使追放を規定している。英国は「正当性がなく遺憾だ」と法案に強く反発しており、両国関係が緊迫する可能性がある。
国際原子力機関(IAEA)が今月8日、イランの核兵器開発疑惑を巡る「根拠」を列挙し、「深刻な懸念」を示した報告書を公表。これを受け、英国は21日、米国やカナダと同調して、イラン中央銀行を含むイランの全金融機関と自国の銀行との取引停止を禁じる制裁措置を発表した。
イラン中央銀行は原油取引の決済にかかわる、いわばイランの「生命線」。制裁の影響で原油輸出が大幅に減少すればイラン経済への重大な影響が予想される。このためイラン国会は27日、両国関係の見直しを盛り込んだ法案を賛成多数で可決し、護憲評議会も28日、これを追認した形。
法案は、両国が互いの大使駐在を停止し、臨時代理大使が任務に当たるとしている。国営テレビによると、ラリジャニ国会議長は「英国は絶えず我々に行動を監視されていることを知るべきだ。これは単なる始まりだ」と威嚇した。
イランは80年以降、米国と断交しており、英国大使が追放されれば、西側諸国とのパイプがより縮小することを意味する。欧州連合(EU)も新たな経済制裁を検討しており、イランは英国に対して断固たる姿勢を見せることで、今後同様の制裁が拡大するのをけん制する狙いがあるとみられる。
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